コーヒーの生豆(なままめ)はコーヒーの木に出来る実の中にある種子(種)です。 それを熱であぶって化学変化させたものが、一般によく見る 焦げ茶色のコーヒー豆です。 コーヒーの実を収穫してきて生豆にするまでの工程を精製と呼びます。 精製工場のことを「ミル」と呼びます。 マイクロミルは小さな精製工場のことです。 ですから、当店のような小さな焙煎機で焼いている人たちは 「マイクロロースター」といいます。「ミクロ=マイクロ」です。 この精製はとてもとても重要で、どんなに良い実を収穫しても、精製が悪いと 味が落ち当然値段も落ちます。 精製方法にはおおざっぱに分けて2つあります。(本当におおざっぱに) 一つは収穫してきた実を剥いて中の豆を取り出してから、乾燥させるもの。 もう一つは実のまま乾燥させ、その後実を剥くものです。 前者の中でもいくつかの方法があるのですが、代表的な精製法は ウォッシュド(水洗式)です。この方法に関してはまた今度。 さて後者の「収穫してきた実をそのまま乾燥させ、その後実を剥く」と いう方法が「ナチュラル精製」です。 「アンウォシュド=非水洗式」とも呼ばれる方法です。 収穫して来た実をそのままコンクリートなどの上に広げて、日光で乾燥させます。 その後乾燥した実を剥いて、中の豆を取り出すという、 とても単純な精製方法です。 実が付いたまま乾燥していく課程で、実が腐り独特の香りが実につきます。 一つ間違うと腐敗臭が付きやすく、また、未熟豆、異物の混入が多いなどの 欠点があります。 この精製方法は、昔からブラジルなど水が貴重品で、かつ収穫期に雨の降らない 地域で行われてきました。インドネシアでも行われています。 昔は、あまり出来の良くない豆を何とか売れるようにしようと ナチュラル精製で香り付けをして売っていましたが、 近年は、特別丁寧に作られるナチュラル精製があります。 この精製用にわざわざ完熟豆を選び出し、完全管理されて作られるスペシャル精製です。 こういった豆は、コンテスト用とか一般的には出回らない豆ですが、 近年、小ロットだけ出回るようになってきました。 過去にお出しした今は幻になってしまったエチオピアのミスティーバレーなどが この方法をとっています。